『あああ、お腹が空いて動けない…』
『しかしここに寝ていても、じいちゃんは気づいてくれないであろう』
そりゃあそうです。さっき食べたばっかりじゃあないですか。
そういうわけで催促に来ました。
無言で、とても控えめに要求します。
たまにじいちゃんのヒザに手をかけて、ゆすって目で訴えかけて、台所まで誘導したりします。
さっそく今ブームのササミ系のウエットを差し出しました。
なかなかの食べっぷりです。
ガツガツガツ…。
食べているときは、通常のネコの長さに見えます。
美味しいですか?
しかし突然、食べるのを止めてしまいました。
チビ丸アニキが帰ってきて、『銀のスプーン』(ウエット)を食べ始めたからのようです。
『む。アニキが何か特別料理をもらっているな』
『おじいちゃん、ワタシにもアレと同じものを』
え〜っ?さっき食べたでしょ?銀スプ。
『…やっぱり私には特別な料理は出ないんですね』
『アニキが食べているものをワタシも食べてみたいものだ』
近づいていきました。
凝視しています。
『だるまさんころんだ』のように、にじりよっていきました。
チビが落ち着いて食べれませんよ?
うむむむ。
おじちゃん根負けし、差し上げました。
さっき食べて今また少し食べたばっかなのに…。
でもチョモたんって食べすぎゲボを一度もしたことないし、ま、大丈夫でしょう。
チビが落ち着けるように、離らかして食べてもらいました。
しかし一缶の半分はアっと言う間で、
チビたんの食べ残しもアレヨアレヨと食べ終わりました。
『初めて食べたごちそうです。やっぱり特別料理は美味しいですね』
それはそれはすみませんでしたね。
それはそうと、エラくキリっとしていますね。
キリっとしたチョモたんも素敵ですよ。